【必見】エコキュートのデメリット・メリット。給湯器や電気温水器との違いは?

エコキュートのデメリット・メリット

オール電化住宅では、ガス給湯器の代わりに電気で稼働するエコキュートを導入する場合がよくあります。

しかし、使い慣れたガス給湯器に比べて、エコキュートのことをよく知らない方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、エコキュートのデメリットやメリットをはじめ、仕組み、ガス給湯器・電気温水器との違いについて紹介します。

エコキュートの導入を検討している方は参考にしてくださいね!

目次

エコキュートのデメリット。導入前に確認必須!

エコキュートには思わぬデメリットが存在しており、導入前にチェックする必要があります。以下に、一般に知られる有名な7つのデメリットを取り上げます。

導入時の費用が高い

エコキュートのデメリットとしてよく知られるのが導入費用の高さです。通常、本体や工事費を含めておよそ50万円前後するのが標準的です。

工事費ではガス給湯器が2~4万円程なのに対し、電気の配線や分電盤の工事、電気会社の申請費用などあわせてガス給湯器の相場の3~4倍(8~15万円ほど)します。

もちろん、将来的な光熱費とのトータルバランスで考える必要はあります。給湯器には寿命もあるため、その範囲内で計算する必要があるでしょう。

設置場所が必要

エコキュートには、外気の熱を取り入れるための装置(ヒートポンプユニット)と水を貯蓄するタンク(貯湯ユニット)があり、ある程度の設置スペースを必要とします。

さらに、近隣の住居との間に建てる場合も新居建造などで装置の撤去が必要になることもあり、余裕をもって設置できる場所を探す必要があります。

また、大きな地震などで倒れることもあるため、地面の設置基準も整えることが求められるのです。以上のデメリットがあるため、「設置場所なんて、どこでもよい」とはならないことに注意がいるでしょう。

室外機の音が大きい(騒音)

外に設置した各機器には、騒音のデメリットがあることも知られています。それほど大きな音ではありませんが、夜間だと人の感覚として大きく聞こえることもあります。

実際は40db(デシベル)という図書館や書店レベルの騒音なので、昼間は気にならないレベルです。

しかし、周囲に住居が近い場合は、近隣トラブルにならないように静音設計の製品を購入したり、配置する場所を変えたりして配慮する必要があります。

湯切れする場合がある(使い過ぎに注意)

エコキュートの機能として、夜間などにお湯を貯めることがよくあり、一定の湯量のみを1日に作り出します。

ところが、予定外の使用があるなどして使いすぎると、湯切れを起こしてお湯が出なくなります。これがエコキュートのデメリットです。ガス給湯器では、水道から使う分だけ直接給油するためこのような不足が起きません。

そのため、エコキュートの場合のみ、使う量が多くなりそうなときは、設定を変更して湯量を増やすことです。

家族の人数や使用湯量などでタンクの容量を決める過程も多いため、上記の方法でも限界があるため、使いすぎには注意しましょう。

冬は光熱費が上がりやすい(寒冷地には不向き)

エコキュートは大気の熱を利用しますが、水道の水温はそのままのため、お湯を作る際の水温の低さは電気代に直結します。

特に冬場は、お湯を温めるための熱量がたくさん必要となり、通常よりも電気代が高くなります。寒冷地では水道水の温度も低いため、エコキュートには不向きです。

タンク内のお湯は飲めない

一見するとお湯がきれいでも、タンク中の水を飲料として使うことはできません。お湯にした後、内部にプールしてお湯を貯める仕組みのため、使っているうちにタンク内に不純物がたまり、付着・沈殿する可能性があります。

菌は温度で殺菌できますが、水道から蓄積した不純物に対しては、水道水と同じ衛生レベルを保てないのです。配管さえ維持できれば良い給湯器に比べて、タンク内の衛生面も考慮する必要があるのはエコキュートならではのデメリットでしょう。

水圧が弱い

給湯システムの中でもエコキュートは水を温めた後に貯蓄して、そのタンクから湯を送ります。そのため、水道からの水圧そのままにお湯を出すことができません。

通常、水道からは500KPa程度のお湯が出ますが、エコキュートはその半分程度の190KPa(水圧が高い製品でも290KPa~360KPa)となります。水道そのままに出せる直結したガス給湯器などに比べると、水圧が弱いというデメリットがあるのです。

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エコキュートのメリット

今度はデメリットに対して、エコキュートを使うメリットをいくつか提示しましょう。

毎月の光熱費が安くなる

エコキュートの最大のメリットは、光熱費(電気代)を削減できることです。ガス給湯器はガス代、電熱給湯器は電気代でそれぞれ電気・ガスのエネルギーをすべて水温をあげるために使うため、光熱費は高い傾向にあります。

しかし、エコキュートを導入すると空気中の熱の力で温めるため、機器内の循環で動かすために使われる最小限の電力で済みます。

また、夜間の電力価格が低い地域では、夜にお湯を沸かすことで電気代そのものを節約できます。

断水時や停電時にタンク内のお湯(水)が使える

災害時に役立つメリットがあるのもエコキュートの特徴です。ガス給湯器のようにその都度お湯を作り出すのではなく、タンク内にお湯を貯める仕組みになっているため、災害時も中のお湯を使うことができます(参照:新日本住設Groupより)。

災害でガス管が破損して給湯器が使えなく慣ればお風呂に入れませんが、エコキュートでは残されたお湯という制限はあるものお湯や水が使えるのです。

また、電気・水道さえ戻れば、すぐまた使えることから災害時の復旧も早いでしょう。

省エネ・環境に優しい

エコキュートは名前の由来ともなったエコを基本とした給湯器です。そのため、省エネで環境にも優しいメリットがあります。

特に熱交換に使われる冷媒は、自然の冷媒で環境を汚すことがなく、ガス給湯器のような排気なども出さないのです。電気を使いすぎないことも環境面と省エネ面を両立した製品です。

(参照:https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/topics/20170712-01.html

補助金がある(自治体による)

実用面だけでなく、導入面にもメリットがあります。それが補助金による費用負担の軽減です。

国の補助金は終了したものの、自治体では未だに補助金を募集しているケースがあり(参考:加東市の令和3年度のエコハウス設備設置補助金制度)、これからエコキュートに切り替えたいという方には大きなメリットです。

自治体のホームページや広報などで補助金が出ていないか調べてみるのもよいでしょう。

ガスによるトラブルの心配がない

エコキュートはガス給湯器のような事故が起こりにくいのも一つのメリットです。

例えば、不完全燃焼による一酸化炭素中毒や火事などといった事故は、ガス給湯器なら身近なところで年間100件前後は起こっているのです。

しかし、エコキュートではそもそもガスを使用しておらず、一酸化炭素中毒のような事故が簡単に起こりにくいといえます。

販売メーカーが豊富

製品のメーカーを探す際にもメリットがあるのがエコキュートです。さまざまなメーカーが豊富に製品開発してエコキュートの商品を提供しています。

そのため、自分の使いたいメーカー先のものを購入して設置できます。メーカーによって機能や費用もさまざまなため、選択肢が多いのは嬉しいところでしょう。

エコキュートとは?動く仕組み

エコキュートとは、正しくは「自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機」と呼ばれるエコな仕組みの給湯器のことです。

自然冷媒は自然界に存在する冷媒のことで、人間に害のない熱媒体を指します。言葉の意味として、「エコ」はそのまま環境に優しいエコのことで、「キュート」は給湯器と英語のキュート(可愛い)をかけ合わせた語です。

2001年に日本で発売されて以来、環境への配慮や性能の向上などで、継続的に開発・提供されています。

(参照:一般社団法人 ヒートポンプ・蓄熱センターより)

エコキュートの仕組み

エコキュートはお風呂や家庭の蛇口にお湯を提供するための機器製品です。

お湯が出る仕組みは、まず大気中の熱を集めて冷媒が吸収し、それを高圧機器(コンプレッサー)で圧縮して高温にします。

次に、熱交換器に移動すると冷媒が熱を伝えて、水を温めます。温かいお湯を貯蓄して、お湯としていつでも使えるようにします。

同時に、水を温め終わった冷媒は膨張弁で低圧の低温に戻すのです。後は、上記のサイクルを繰り返すだけで、少ない電力でお湯をつくり続ける事が可能です。

エコキュートの種類と特徴

エコキュートには、タイプごとに以下の3種類があります。

フルオートタイプ

メーカーにおける全体の7~8割を占める種類がフルオートタイプです。3種類の中でも最高の機能性能を誇っており、自動での湯張りやたし湯、追い焚き、保温などができます。

「自動ボタン」一つで自動的に水回りのさまざまなことをフルオートで行えるのです。もちろん、ボタンで保温や追い焚きを手動ですることも可能です。

オートタイプ

フルオートタイプの自動機能に対して、一部を手動にしたのがオートタイプ(セミオート)です。

たし湯機能などが手動となっており、追い焚きや自動保温ができない点が、フルオートタイプとの大きな違いです。

エコキュート製品として各種メーカーの中にはオートタイプを扱うところもあれば、フルオートのみでオートタイプを扱っていないケースもあります。

フルオートに比べるとその分だけ価格が安くなっており、入手しやすいのです。

給湯タイプ

給湯タイプは、機能をシンプルにして蛇口からお湯が出ることに特化した種類です。高機能のボタンがごちゃごちゃしたパネルやリモコンなどはなく、フルオートタイプやオートタイプにあるような自動機能は使えません。

蛇口を捻るか、ボタンを押すことでお風呂の釜にお湯を注ぎ、水位まで来たらリモコンからお知らせ音などがして、お湯を止めます。

製品によってはお知らせ機能がなく、止め忘れが起こりやすいため気をつけましょう。

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エコキュートとガス給湯器、電気温水器の違い

給油システムを持つ機器には、エコキュート以外にもガス給湯器や電気温水器などがあります。そこで、これらの違いについて説明します。

ガス給湯器との違い

ガス給湯器は、ガスを使用してお湯を温める仕組みです。まず設置した本体に水が流れると点火して、バーナの熱交換器で水を高温にします。そのお湯が蛇口やお風呂の給水口から出るのです。

本体は生じた排気を外に出し、その温度は200℃近くあります。スイッチは蛇口をひねるか、パネルボタンを押すことで、給湯器本体のスイッチを逐一入れる必要はありません。

そのうえで、ガス給湯器はガスだけでなく、装置を動かすのに電気も使用しているため、機能的にガスと電気を必要とします。エコキュートとの違いは、ガスを使うことやお湯をタンクに貯めておかないことです。

また、エコキュートが低音での駆動なのに対して、ガス給湯器は大きな騒音を出すため、静音性の部分にも違いがあります。

電気温水器との違い

電気温水器はその名の通り、電気でお湯を沸かす機器です。電熱ヒーターがお湯に換えてタンクに貯水します。そのお湯を風呂や蛇口で給湯します。

エコキュートとの違いは、同じ電気でも温める熱源が違うことです。電気温水器は電熱ヒーターですが、エコキュートは大気の熱を利用しています。

電気代がエコキュートのほうが安いのは、ポンプを回すのに電気を使うくらいで電気代を節約できるためです。

また、電気温水器は電気だけで温める仕組みのため、ガス給湯器のように必ず外に排気機器を設置する必要がなく、設置箇所がお湯を使う近くにすることが可能ちょいうメリットがあるのです。

まとめ

今回は、エコキュートのデメリット・メリットや仕組み、ガス給湯器や電気温水器との違いについて解説しました。

エコキュートには意外なデメリットがいくつかあり、導入費用やシャワーの水圧などは特に気をつける必要があります。

また、ガス給湯器と比べた場合に、どちらを選ぶのかについても正しく違いを知ったうえで、光熱費や設置費用などを比べて判断しましょう。

【正解】エコキュートはどこで買う?お得な方法から一般的な買い方まで!

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